午後2時ごろ、おばあちゃんに会いに行くと、洋服ではあったけど、ベッドに横になっていた。
「ぽんが来たよー」と顔を覗くと、目を見開いて「嬉しいなぁ~」と言う。
少し元気がない、外を眺めてぼーっとしている。
私の幼馴染から頂いたデコポンを見せる。
不思議な形にまた少し目を見開いた。
おばあちゃんは、「はっさく」とか「いよかん」が好きだったので、一緒に食べようと思って皮をむいた。柑橘系らしいさわやかな匂いが広がる。手についた香りをおばあちゃんの鼻の前にもって行き「いい香りだね!」というと感心したように頷くおばあちゃん。
私が幼い頃、こういう類の果物は、食べるのがめんどくさかったけど、よくおばあちゃんが甘皮まで剥いて、「ほら、食べなさい」と言ってくれたことを思い出した。
私もひざの上で、キレイに皮を剥いて、おばあちゃんの口に入れる。
「おいしいわね~」と食べてくれたおばあちゃん。
少しは恩返しが出来てるだろうか。
それでも少し食べると、もういらないと首を振った。
食欲がなくなっているのかな。
途中、看護師さんが顔を出して「やっぱりお孫さんが見えると表情が全然違うわ」と言ってくれた。本当かどうか私が居ないときの表情を見ていないからわからないけど、そう言ってもらえるのは嬉しいことだ。
「私がいるからおばあちゃん嬉しいんでしょ?」半ば強引な質問に、いつものように「当たり前よ」と満点な回答をくれる。
3時のおやつが運ばれてきた。「少しは食べないと」と職員さんが言っていたので、最近は食欲が落ちているんだろうな・・・。私が少しずつ食べさせた、途中、嫌がっても話をそらしてからなら、また食べてくれる。全部食べてくれたからよかった。
夕方になると体の震えがひどい、ずっと体が動いているから汗もびっしょり。
顔と首まわりを簡単に清拭することしかできないけど。
時折、せん妄なのか「猫が膝に飛び乗ったように見えた」と言ったり、なにかを追うように宙を見たりする。おかしいな・・・薬は飲んでないはずなんだけど。ひとまず「そっか、そっか。」と膝をさすって話を聞いておいた。
自分の意志とは別に動いてしまう体、疲れるだろうな。何度も深いため息をついている。ただ、私が心配そうな顔をすると「大丈夫よ」と笑顔を見せてくれる。こんなところはまだまだシャンとしているし、私に気を使っているんだろうな。
家族の前では、心配かけまいといつも気丈だ。
ずっと一緒に居てあげられればいいんだけど・・・。ごめんね。
今日もギュッっと手を握ってパワーを入れてきた。
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